発売してから、どうですか(仮)
近刊検索デルタで発売前に話題になった本の書店や読者からの反響や、発売後の売れ行きなどを追っかけます。月イチ更新(予定)
今回は、刊行直前に類例のないユニークな一冊として注目を集め、その後、サッカー本大賞優秀賞を受賞した絵本です。
第8回 ころから『サッカーことばランド』金井真紀+熊崎敬
1.発売前の反応はいかがでしたか?
ワールドカップ(ロシア大会)を無視した時期の刊行で、スポーツ・実用の担当者としては反応しづらかったかも知れません。
一方で、サッカー視点だけでなく、「ことば」や「多様性」に着目してくださった書店からは刊行前から「刊行イベントやりましょう」とお声掛けいただき、実際に東京・谷中のひるねこ書房で刊行と同時に著者によるトークイベントを開催いただいたのは、とてもうれしかったです。
2.発売後の読者や書店からの反響をお聞かせください。
刊行から10カ月をへて「サッカー本大賞」優秀作に選定され、受賞式で選考委員の実川元子さんが、講評で本書に触れてくださりました。
『PK 最も簡単なはずのゴールはなぜ決まらないのか?』の著者(ベン・リトルトン)にロンドンで本書をプレゼントされた際、同氏から「日本にはこんな本があるのか! イングランドより豊かなサッカー文化があるんだね」と言われたとのお話しでした。
ころから史上最大の労作と言ってよい『サッカーことばランド』ですが、その労が報われたように感じた瞬間でした。
3.本書に続く企画などの予定はありますか?
もちろん第二弾を出したいです!
ネタはまだまだあります。そのためにも、まずは本書をもっともっと広く知ってもらわねば…。
4.増刷の予定などがあれば、さしつかえのない範囲でお知らせください。
まだまだ、本書の存在を知ってもらうことが課題です。
学校図書館向けDMなどを行っていますし、今後5年、10年とロングセラーになるよう版元としてがんばりたいです。
増刷と第二弾の刊行が同時に実現できるように!
5.この本を読まれた読者にオススメしたい本はありますか?
まずは、『サッカーことばランド』の共著者、金井真紀さんによる『はたらく動物と』(ころから)です。鵜飼い、馬耕、盲導犬など「と」暮らす人びとを丹念に取材されたややビターなルポです。
ころからは、サッカー関連書を何冊か出していますが、どれもお薦めです(自画自賛)。
2015年にサッカー本大賞を受賞した『サポーターをめぐる冒険』(中村慎太郎)は、「サポーターを可視化する」との試みのもと刊行され、すでに3刷となっています。
『サッカーことばランド』だけでなく、ころからの”サッカー本”は、サッカーを楽しみながら多様性も楽しむーーがモットーになっています。
ころからのKさん、ありがとうございます。受賞というと派手なイメージがありますが、なかなか厳しい……。短期勝負ではなく長く売るためにも、読者の目に触れる機会でのアピールを繰り返す必要性を感じます。今回の機会が一助になれば幸いです。
「発売してから、どうですか(仮)」では、今後も、発売前に話題を集めた本の発売後を追いかけます。次回は5月中旬公開予定。ご期待ください。
サッカーことばランド
第6回サッカー本大賞優秀賞
金井 真紀 著 熊崎 敬 著
978-4-907239-34-3
ころから
はたらく動物と
金井 真紀 著
978-4-907239-24-4
ころから
サポーターをめぐる冒険
Jリーグを初観戦した結果、思わぬことになった
中村 慎太郎 著
978-4-907239-07-7
ころから
PK
~最も簡単なはずのゴールはなぜ決まらないのか?~
ベン・リトルトン 著 / 実川元子 訳
2015年12月発行
978-4-86255-315-7
カンゼン