スタイルノート 我が社の一冊 2020
- 詩人の恋
- セリム・ナスィーブ/著 水野信男/監修 岡本尚子/訳 梶葉/訳
- スタイルノート
- 978-4-7998-0189-5
出版社からのおすすめコメント
アラブ世界の大歌手である、ウンム・クルスームの生涯を描いた小説です。ウンム・クルスームに関する日本語文献はわずかとのこと。小説とはいえ貴重な資料とも言えるでしょう。著者はパリ在住のジャーナリスト兼小説家。原著の版元は無くなっていたため、著者との連絡にも時間がかかり、長い時間をかけた1冊がやっと出来ました。内容紹介
この本は、フランスで刊行された『ウンム(OUM)』(仏語本)の全訳。書名のウンムとは、ウンム・クルスーム(1904?-75)のことで、彼女はエジプトが生んだ希代の名歌手であり、いまだにCDショップや書店にはライブCDが大量に並んでいるという。本書は、ウンム・クルスームと同時代を生きた、やはり著名なエジプトの詩人のアフマド・ラーミー(1892-1981)の口を借りて、彼自身の生涯と重ね合わせながら、ウンム・クルスームの一生を、一人称で縦横に克明に語りつくした小説である。ウンムはその生前から、「オリエントの星」「アラブの歌姫」「ナイルのナイチンゲール」「黄金ののど」「五色の声をもつ歌手」などと称され、さまざまの最高の形容でもてはやされてきた。そればかりか、没後もアラブ世界で、レジェンドの地位をほしいままにしており、彼女の歌は、いまもなお聴衆の心に、ふかく、やさしく、新鮮に息づいている。事実、ウンム・クルスームの歌は、エジプトでは今日ですら、ラジオの音楽番組の定番となっており、おびただしい量のライブCDが、現地書店や楽器店の棚をかざっていて、その人気は一向におとろえる気配すらない。著者ナスィーブは、1946年ベイルート生まれで、1969年以降今日まで、パリを中心に活動するパレスチナ問題に詳しいジャーナリスト。そのかたわら、小説も書いている。- https://www.stylenote.co.jp/bd/isbn/9784799801895/